ーーーー【追記】ーーーー
2023/11/21現在、SiriLは1.2.0でリリースされています
この記事の内容とは少し異なっているので、新しい記事をご覧頂けたら嬉しいです


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Twitterで「SiriL」っていうフリーの天体画像処理ソフトを知り、面白そうだったので早速インストールして使ってみました

■SiriLダウンロード
このページからダウンロードできます


バージョンは1.0.2
私はWindowsなので「64-bit Windows」をクリック
インストーラを起動してサクサクっとインストール完了です

■起動画面
起動するとこんな画面です
スクリーンショット 2022-06-01 003243

なにから手を付ければいいのか全然わからなかったので、チュートリアルページを見てみました



■コンポジット処理(うまくできませんでした💦)
コンポジット処理からできるみたいです
  1. まずはエクスプローラでプロジェクト用のフォルダ「ワーキングディレクトリ」を作成しておきます
    スクリーンショット 2022-06-01 003817

  2. 続いて、予めフォルダ内に以下のフォルダも作っておく必要があるみたいです

    スクリーンショット 2022-06-01 024330

    ・biases:バイアスフレームを保存する
    ・darks:ダークフレームを保存する
    ・flats:フラットフレームを保存する
    ・lights:ライトフレーム(天体が写っている画像)を保存する

    lightsフォルダにライトフレーム、darksにはダークフレームを保存、flatsにはフラットフレームを保存したんですけど、バイアスフレームは作ったことが無いのでダークフレームを保存してみました

  3. Sirilで手順1で作ったワーキングディレクトリを開きます
    スクリーンショット 2022-06-01 004316
    今回は"M20\2022-04-11"を開きます

  4. 「スクリプト」-「OSC_Preprocessing」を開いて、[Run Script]をクリック…したんだけど、Consoleを見ると

    00:51:47: コマンド: stack を実行中
    00:51:47: No sequence `bias' found.

    ってなってて処理できないみたい (´・ω・`)
    どうすればいいかな?
    ていうか、本当はコンポジットに使うライトフレームは既にダーク/フラット処理が済んでいるものなので補正は要らないんです
    こういう時はどうすればいいのかチュートリアルの別のページを読んでいたらスクリプトを追加できるみたい
    スクリーンショット 2022-06-01 005849

    で、以下のページを見てみたらありました
    ダーク、フラット、バイアスを除いてコンポジットするスクリプト
    スクリーンショット 2022-06-01 010030
    ”OSC_Preprocessing_WithoutDBF.ssf”
    念のため、フラットなしとダークなしもダウンロードしておきました
    ダウンロードしたスクリプトファイルは以下のフォルダにコピー

    C:\Program Files\SiriL\scripts

    管理者権限が必要っていう警告が出るけど「続行」をクリック
    Sirilを再起動すると追加されていました
    スクリーンショット 2022-06-01 010459

    改めてWithoutDBFをクリックして実行したんだけど…「前処理」が終わって恒星リファレンス作成のところでエラーになっちゃう💦

    01:07:09: コマンド: register を実行中
    01:07:09: Registration: processing using method: Global Star Alignment (deep-sky)
    01:07:09: Global star registration: with the current memory and thread limits, up to 4 thread(s) can be used
    01:07:10: Reading FITS: file pp_light_00001.fit, 3 layer(s), 4952x3288 pixels
    01:07:10: リファレンス画像:
    01:07:10: Findstar: processing...
    01:07:11: Found 0 stars in reference, channel #1
    01:07:11: There are not enough stars in reference image to perform alignment
    01:07:11: Preparing sequence processing failed.

    仕方が無いので今回はコンポジット処理を諦めました
    きっとなにか設定が足りないんですね💦
■画像処理
コンポジット処理がうまくできないので、前回ステライメージ9でコンポジット→前処理を施したTIFF画像を使うことにしました
FITS画像を使いたかったんですけど、開くと真っ黒でなにをしてもうまく表示できなかったのでTIFFにしました
  1. [開く]ボタンからTIFF画像を開きます
    スクリーンショット 2022-06-01 011224

    開くと「赤」が選択されているのでモノクロで表示されます
    スクリーンショット 2022-06-01 011528

    画像左上の[RGB]をクリックしてカラー表示してみます
    スクリーンショット 2022-06-01 011712

  2. チュートリアルによると、まずはトリミングなんですけど今回は全体を使いたいのでパスして「背景グラデーションの削除」をします
    「画像処理」-「Background Extraction…」を開き各パラメータをこんな風に設定して[生成]ボタンをクリック
    スクリーンショット 2022-06-01 012226

    すると、プレビュー画像に赤い□マークが表示されます
    スクリーンショット 2022-06-01 012603

    Grid toleranceを調整して[生成]を何度か繰り返して□マークが星雲に被らないようにしました
    今回は 0.01という最低値になりました

    スクリーンショット 2022-06-01 012513

    この状態で[Compute Background]をクリックして[Apply]で適用します

  3. 続いてカラーキャリブレーションをします
    「画像処理」-「色補正」-「フォトメトリック色補正」を開きます
    スクリーンショット 2022-06-01 013121

    最初に入力しておかないといけないのは「焦点距離」と「ピクセルサイズ」です
    焦点距離はわかるとして、使っているカメラのピクセルサイズはカメラの仕様書などから調べておく必要があるんですね
    今回使ったカメラはQHY168Cなので"4.8"にします
    焦点距離はBKP200/F800+F4コマコレクタなので"800"です

    続いて虫メガネマークのところに天体名を入力するか「Right Ascnsion」、「Declination」に中心座標(J2000)を入力します
    まずは天体名でやってみようと思うので"M20"と入力して[Find]ボタンをクリックします
    すると「Right Ascnsion」、「Declination」にも座標が設定されました

    スクリーンショット 2022-06-01 013441

    この状態で[OK]を押してみるとプレートソルビングに失敗したというエラーが表示されました

    スクリーンショット 2022-06-01 013746

    [OK]を押して閉じ、[Downsample image]をOnにして[OK]を押してみると今度は違うメッセージが表示されました

    スクリーンショット 2022-06-01 013947

    恒星を認識できないみたいなので手動で設定します
    「>星の検出」を開いて[Manual detection]をOnにします
    スクリーンショット 2022-06-01 014140

    この画面は開いたまま置いておいて…
    恒星の指定はRGBモードではできないようなので、プレビュー画像の左上の[緑]をクリックします
    画面右下にある「1」っていうボタンを押して等倍表示にし、適当な恒星をドラッグして囲みます
    スクリーンショット 2022-06-01 014555

    プレビュー画像上の適当なところで右クリックして「星を選択」をクリック

    スクリーンショット 2022-06-01 014727

    選択した星が一つだけ登録されているので★3つのボタンをクリックして検出します
    沢山検出されるので「Threshold」を今回は"2.0"に設定して152個の恒星を設定しました

    スクリーンショット 2022-06-01 015205

    [閉じる]をクリックして閉じ、「Photometric Color Calibration」画面に戻り[OK]ボタンを押してみます
    すると今度はConsoleにはこんな風に表示され、ちゃんと処理をすることができました

    01:54:16: Background reference:
    01:54:16: B0: 1.69940e-01
    01:54:16: B1: 1.97009e-01
    01:54:16: B2: 2.10117e-01

    確認のためプレビューを「RGB」に切り替え、画面右下の「画像をウィンドウに合わせる」(「1」の左のボタン)をクリックしてみます
    でも、急に縮小表示をしてもどう変化したのかわかりにくいですよね
    それを確認するため画面上部の「←」ボタン(ホームの右側)と「→」ボタンをクリックして変化を確認します
    これで良ければ…というか、これ以上弄りようが無いので[閉じる]ボタンをクリックして閉じます(※[OK]ボタンじゃありません)

    スクリーンショット 2022-06-01 020104

  4. チュートリアルによると、つづいて「デコンボリューション」をするようです
    「画像処理」-「逆畳み込み」を開きます

    スクリーンショット 2022-06-01 020320

    スクリーンショット 2022-06-01 020841

    ここも等倍表示後に[+]を1,2度押して画像を拡大し、「半径」と「Corner radius boost」を調整して[Apply]をクリックします

  5. 次は「asinh関数を使ったヒストグラムのストレッチ」です
    まずは「ディスプレイモード」が「線形」になっていることを確認します
    「自動イコライゼーション」などになっていれば変更します

    「画像処理」-「Arc sinh 変換」を開きます
    ここは全体像を見たいので表示を縮小しておきます

    スクリーンショット 2022-06-01 021611

    Stretch factor と Black Pointを調節して[Apply]をクリックします
    なんとなく、わたしの場合はBlack Pointを先に動かしてからStretch factorを上げる→またBlack Pointを調節してStretch factor…のようにした方が分かりやすかったです

  6. 続いて「ヒストグラム調整」です
    画面右下にあるこのボタンをクリックして「ヒストグラム変換」画面を開きます
    スクリーンショット 2022-06-01 021938

    スクリーンショット 2022-06-01 022217

    歯車ボタンを押して自動調整をさせてからヒストグラムのシャドウ側と中間位置を調節して[Apply]をクリックして適用し[閉じる]をクリックして閉じます

  7. 「緑色のノイズ除去」をします
    「画像処理」-「グリーンノイズを除く」を開きます
    スクリーンショット 2022-06-01 022629

    スクリーンショット 2022-06-01 022706
    パラメータはいじらずにそのまま[Apply]して[閉じる]をクリックします

  8. 「彩度」の調整
    「画像処理」-「彩度」を開きます
    スクリーンショット 2022-06-01 022939

    AmountとBackground factorを調節して[Apply]をクリックします

  9. 画像を保存します
    画面右上の「↓」をクリックしてファイル名を指定して保存します
    保存形式は拡張子で判断しているようなので、FITSなら".fit"、TIFFなら".tif"、JPEGなら".jpg"のようにします

    スクリーンショット 2022-06-01 023249

    スクリーンショット 2022-06-01 023524

こんな感じで簡単に処理をすることができました
私はTIFFで保存して、このあとStarNet++ v2とGIMPで仕上げをします
仕上げた結果はこんな感じ

M20-20220411-Siril

ちょっと明る過ぎかな? 笑
でも前より暗黒星雲やモクモク感が出たように思います

実際に使ってみて、簡単操作だしとっても効果がありそうに感じました
今後も活用しようと思います😊